CTでの血腫・血栓の見つけ方

CTでの血腫・血栓も見つけ方 大腸憩室出血の際の腸管内、胃潰瘍出血の際の胃内容物、SMA解離の血栓など、 腹痛などの鑑別の際に、血栓・血腫がないか探しますよね。 そういったときの見つけ方を紹介します。 急性期の血腫・血栓は50~70HU程度で、軟部濃度よ…

虫垂炎の画像診断

まず上行結腸を探し、次に回盲弁、そして虫垂の位置を確認 ◎CT所見 6mm以上の虫垂の腫大 周囲脂肪織の毛羽立ち(dirty fat sign) 2mm以上の虫垂壁肥厚 造影CTで虫垂壁の造影増強効果 ◎副所見 虫垂結石、腸間膜リンパ節腫大、傍結腸溝の液体貯留など ※ただし…

憩室炎の画像診断

憩室炎 ►憩室自体の炎症を示唆する所見 ・炎症を生じている憩室そのものの壁肥厚、造影効果の増強。 ※憩室炎を起こしている憩室は同定できないこともしばしばある。 ►周囲炎症波及を示唆する所見 ①横方向 ・周囲脂肪織濃度上昇(dirty fat sign)。 ・結腸の粘…

腹部CT読影順番と見るポイント

読影順番 ・肝→胆→膵→脾→副腎→腎→尿管 ・膀胱、前立腺あるいは子宮、腟、付属器 ・大動脈・リンパ節:下大静脈、大動脈周囲→腸骨動脈周囲 ・消化管: ・食道→胃→十二指腸 ・直腸→S状結腸→下行結腸→横行結腸→上行結腸→回腸末端・盲腸→虫垂 ・脊柱管、筋肉など…

不眠をみたら原因の5Pと不眠の種類4タイプを考える

不眠をみたら原因の5Pと不眠の種類4タイプを考える ◎原因の5P ①Physical(身体的):発熱、疼痛、そう痒感、頻尿、心疾患、呼吸器疾患、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群 ②Physiologic(生理学的):時差ボケ、環境の変化、交替性勤務、騒音、光、不…

とりあえずはバンコマイシン!抗MRSA薬で使うもの

◎抗MRSA薬 ・バンコマイシン 欠点も多いが、対応策もわかっている ・ダプトマイシン バンコマイシンのあとに考える 肺炎以外でバンコマイシンが使えないとき ・リネゾリド MRSA肺炎でバンコマイシンが使えないとき

マクロライド系でよく使うもの

◎マクロライド系 ・エリスロマイシン(エリスロシン®) 抗菌薬としてはほとんど使わない ただし、眼軟膏、点眼薬など局所製剤は今も使う ・クラリスロマイシン(クラリス®) 日本で経口第三世代セフェム、キノロンとともに過大評価されている抗菌薬 ピロリ菌…

キノロン系でよく使うもの

◎キノロン系 ・レボフロキサシン(クラビット®) レスピラトリーキノロンとしてレジオネラなどの重症肺炎に、結核のセカンドラインに、他に耐性グラム陰性菌感染など使用価値は高い 尿路感染症では「使うべきではない」抗菌薬に格下げされつつある ・シプロ…

使える!ST合剤

◎ST合剤(バクタ®) サルファ成分とトリメトプリムの合剤、シナジー効果が生まれる バイオアベイラビリティもよく、体内のあらゆる組織にくまなく広がる 3錠を1日4回 さまざまな薬と相互作用あり(ワルファリン、メトトレキサート、フェニトイン、ジゴキシン…

カルバペネム系よく使うもの

◎カルバペネム ◯注射薬 ・メロペネム(メロペン®) これ1剤でOK ・アズトレオナム(アザクタム®) なかなか優等生で副作用も少なく嬉しいが、耐性菌が多い

セフェム系でよく使うもの

◎セフェム系 ◯注射薬 ・セファゾリン(セファメジン®) ブドウ球菌(MSSA)に対して替えの効かない必須薬 ・セフォチアム(パンスポリン®) 肺炎や尿路感染症のde-escalationで使うことがある ・セフメタゾール(セフメタジゾン®) ESBL産生菌に対するカルバ…

ペニシリン系でよく使うもの

◎ペニシリン系 ◯注射薬 ・注射用ペニシリンGカリウム 切れ味が良い 血管痛などにつかいにくいところもあり、アンピシリンという代替薬もあるため、頻度はおちる ・アンピシリン(ビクシリン®など) 重要な抗菌薬 ・アンピシリン・スルバクタム(ユナシン®な…

腹腔鏡内視鏡合同手術、LECSとは

腹腔鏡内視鏡合同手術(Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery;LECS) 「レックス」と読む 胃粘膜下腫瘍は病変の形態が様々で、腫瘍の場所を正確に把握していないと余分な胃壁を切除してしまう 上部消化管内視鏡で胃の内側から腫瘍を確認し、また…

CRE(カルバペネム耐性腸内細菌科)とは

CREにはカルバペネマーゼを産生する(CPE;carbapenemase producing Enterobacteriaceae)とそうでないものと耐性の機序は複数ある CPEにもいろいろある ただし治療の観点からは耐性の機序は気にしない 日本で使える抗菌薬は、コリスチン(ポリミキシンE)、…

BLNARとは

BLNARとは Beta-Lactamase Negative ABPC-Resistance:βラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)を産生していないのにABPCに耐性を示す株で、主にH.influenzaeに対して使われる H.influenzaeでペニシリン系に耐性を示すのは、①ペニシリナーゼ産生株と②BLNARの2種類が…

AmpCとは

AmpCとは Enterobacter、Citrobacter、Serratia、MorganellaなどでAmpC過剰産生菌が問題 ESBLとの区別が重要で、また両者が混在している場合もある ESBLと同じく第三世代セフェムに「R」で、CMZ、クラブラン酸にも「R」 臨床的にもんだになるのは、AmpC産生…

ESBL産生菌とは

ESBLとは Extended Spectrum Beta-Lactamase:基質拡張型βラクタマーゼ ペニシリン系しか分解できなかった酵素がすべてのセフェム系まで分解できるようになったもの PEK(Proteus mirabilis、Escherichia coli、Klebsiella pneumoniae)が主に産生し、ESBL産…

CD感染症、偽膜性腸炎

いつ疑うか: 院内下痢症(入院後72時間以上経過してから新たに出現した下痢)の大半は、薬剤や経管栄養などの非感染性の原因によるものが多いが、20~30%がCDI。 キノロン、クリンダマイシン、広域ペニシリン、広域セファロスポリンなどが関連する。 高齢者…

虫垂炎保存加療

起因菌:たいてい混合感染で大腸菌、Bacteroidesをはじめ5〜10種類の菌が培養される 症状の発症順序: ①心窩部、臍部の疼痛、不快感 ②食思不振、悪心・嘔吐 ③圧痛(右下腹部が多い):痛みが24時間近く持続した後に突然軽快したとき、それは「穿孔が起きたか…

肺炎治療についての話

肺炎と診断したら、市中肺炎 CAP: community-acquired pneumonia院内肺炎 HAP: hospital-associated pneumonia医療・介護関連肺炎 NHCAP: nursing and healthcare-associated pneumoniaを区別する 市中肺炎→細菌性か非定型か細菌性 肺炎球菌、インフルエンザ…

乳房パジェット病 vs パジェトイド癌

◎乳房Paget病 vs Pagetoid癌 ◯乳房パジェット病(mammary Paget's disease)乳頭部を中心に、湿疹に類似した紅斑やびらんを形成中高年女性に発生乳管の開口部に発生した乳管上皮由来の表皮内癌、基本的には乳癌乳癌の1〜4%そう痒がなくステロイド外用に反…

降圧薬・血管拡張薬:ニカルジピン、ニトログリセリン、ニコランジル

◎ニカルジピン(ニカルジピン®) 10分で効果発現、作用時間は2時間以上 ◯ニカルジピン使い方 ニカルジピン®(10mg/10mL)→5A:50mg/50mL 2.5~5mL/時でスタート、最大15mL/時まで ◯使用する場面 術後高血圧、脳出血による高血圧、後負荷異常によるうっ血性心…

血管拡張薬:基本的な考え方

◎血管拡張薬の考え方 ①静脈・動脈・(血管としての)心臓を拡張させることでときに高血圧緊急性で確実な降圧を目的として使用する薬剤 ②降圧目的というよりも特定の血管拡張作用を期待して使用する薬剤 ①静脈・動脈・(血管としての)心臓を拡張させることで…

血管拡張薬心機能および血管トーヌスに影響を与える因子

①心血管トーヌス調整:血管内ボリュームの相対量を変化させる 1心臓 陽性変力・変事:β1刺激 陰性変力・変事:β1遮断 心収縮力↑(陽性変力作用):冠動脈拡張 冠動脈拡張→心筋酸素供給量↑→相対的に心筋酸素消費量↓ 冠動脈拡張作用がメイン:ニコランジル、…

死腔のはなし

死腔は「創において適切に閉鎖されていない空間」 大きな死腔は創内に漿液腫や血腫を形成し、SSI(手術部位感染)を引き起こす。結果として創離開の原因となる。 死腔を作らないためには、確実に止血し、層ごとに適切に縫合することが重要 皮下脂肪層が厚い…

循環作動薬:α作用β作用のはなし

循環作動薬はα作用あるいはβ作用のみもつものから、α作用β作用両方もつもの、投与量によってα作用β作用が異なるものに分かれる 純粋にα作用のみ→フェニレフリン(ネオシネジン®)純粋にβ作用のみ→イソプロテレノール(プロタノール®)α作用>β作用→ノルアド…

急性心不全クリニカルシナリオ(CS)

◎急性心不全クリニカルシナリオ(CS) CS1-3が血圧別の心不全分類、CS4はAMI、CS5は右心不全基本的には救急でのはなし CS1:ポイントは、AMIの否定(ECG、心エコー、心筋逸脱酵素、症状)NPPVをつなぐミオコール®にて血圧下げる(120〜130程度まで) 急激発…

大動脈弁狭窄症(AS)患者の麻酔管理

◎大動脈弁狭窄症(AS)患者の麻酔管理 特に心筋虚血に注意 十分な輸液負荷に鎮痛を加え、頻脈を避ける 徐脈でも心拍出量を維持できないため、アトロピンを使用する 麻酔による急激な血管拡張による静脈還流量の低下のため、左室への血液充満が阻害される。も…

クーパー、メイヨー、メッチェンバウムの違い

◎クーパー、メイヨー、メッチェンバウムの違い そもそも剪刀は基本的には 刃先が鋭いか、丸みを持った鈍か 刃がまっすぐか、曲がっているか 柄が長いか、短いか の3点で分類される 直剪刀は主に体表で用いられ、腹腔内で使用されることはほとんどない。 刃先…

急性冠症候群(ACS)への対応@CCU

◎CCUにて バイタルサイン、症状の確認 ECG、Echoの再評価 CK、CK-MBのピーク値を評価 AMIの補液量の考え方: 造影剤使用による腎障害を最小限にするために補液を優先するか、 血行動態が不安定でそのための体液管理を優先するか、の2つを考える →こまめにバ…